2023.3.10

土地によって建てられる家の広さは変わる?!建ぺい率・容積率とは

土地の面積に対して、必ずしも同じ広さで家を建てられるわけではありません。

土地には「その土地にどのくらいまでの広さの建物を建てられるか」がそれぞれ決まっています。どのような制限があり、それらは家づくりにどう影響するか。理想の家づくりを実現するには、自分の土地にどんな広さの建物を建てられるかを正しく把握する必要があります。

今回は、これらを定める「建ぺい率」や「容積率」についてお伝えします。

1.「建ぺい率」はどうして制限される?

「建ぺい率」は土地に対して、建物の平面的な広さを制限するもので、建築面積(真上から見た建物の面積)が、建物のある土地に対してどの程度の割合かを示すものです。

例えば、建ぺい率が50%の土地100㎡に対しては、真上から見て50㎡までの建物が建てられることになります。

家などの建物を建てる際、土地に目一杯の面積で建ててしまうと、防災面や風通しの面で安全で快適な暮らしの確保が困難になります。その結果として、家などの建物を建てる施主だけでなく、その周囲にも影響を及ぼしかねません。

そこで、建築基準法により土地ごとに建物を建てられる割合が「建ぺい率」という形で定められているのです。

2.建ぺい率とセットで考える「容積率」とは

建ぺい率に対して、容積率は「延べ床面積」への制限です。

例えば2階建ての住宅なら、1階だけでなく2階の床面積までの合計が対象。容積率が100%の土地100㎡に対しては、1階60㎡、2階40㎡での延べ床面積が100㎡までの建物が建てられる計算です。

なお、容積率には「延べ床面積の3/1までの地下室」や「延べ床面積の5/1までのビルトインガレージ」など延べ床面積に含まれない緩和措置があります。

3.建ぺい率と容積率の決まり方

土地はそれぞれ都市計画によって用途地域が定められており、その土地がある用途地域によって建ぺい率と容積率が決まっています。

住宅や商業施設が建つエリアを分けるので、住みやすい住環境が確保できて、都市の健全な発展の促進にもつながります。

用途地域は、「住居系」「商業系」「工業系」に大きく分けられており、その中でさらに細かく13の用途地域が存在します。用途地域は5年に1度見直されるため、用途地域は、今後増えるかもしれません。

全面道路の幅によってはさらに容積率が制限されることもあり、建物自体の面積も複雑な計算が必要です。

4.用途地域とは?

用途地域は、「住居系」「商業系」「工業系」に大きく分けられており、その中でさらに細かく13の用途地域が存在します。

【住宅系の8地域】

◇第一種低層住居専用地域

特徴:低層住宅のための地域。閑静な住環境なので、都心から少し離れた生活を送りたい人、駅から少し離れ車を利用する人、広い庭を持ちたい人など向け。

・建てられる高さが10mや20mなどに制限され、一戸建てだけでなく低層マンションも建てられる。

・店舗は床面積の合計が50m²以下であれば可能だが、一般的なコンビニは建てられない。

・建物の種類としては、一戸建て住宅のほか賃貸住宅やマンション、小中学校が建てられる。

◇第二種低層住居専用地域

特徴:主に低層住宅のための地域。高さの制限、住環境は第一種低層住居専用地域と同様になります。コンビニなど小さなお店が建てられるため利便性を求める方向け。
・建物の種類は床面積150m²までの店舗が可能になります。 第一種低層住居専用地域で可能な建物とコンビニや飲食店が建てられる。

◇第一種中高住居専用地域

特徴:中高層住宅のための地域。建物の高さ制限はありません。3階建て以上も建てられるので、分譲マンションの戸数も増えます。ある程度静かな環境で分譲マンションの購入を考えている人や、大きな商業施設はないけれど、買い物などの利便性を求める人に向け。

・建物の種類は2階建て以内&床面積が500m²以下の店舗が建てられるほか、幼稚園~大学などの教育施設、病院、図書館、神社やお寺などが建てられる。

◇第二種中高住居専用地域

特徴:主に中高層住宅のための地域。中規模の商業施設がたてられるため、買い物など生活利便性を求める人向け

・事務所も可能なため、リノベーションした物件に住みたい人向けにも需要

・建物の種類は第一種中高層住居専用地域で可能な建物に加えて、2階建て以内&床面積1500m²以下の店舗や事務所が建てられる。

◇第一種住居地域

特徴:住宅の環境を守るための地域。住宅以外は上記の第一種・第二種中高層住居専用地域で可能な建物に加えて、3000m²までの店舗や事務所、ホテルが建てられる。

・商業施設や比較的駅に近い場合が多く、夜道も明るいため一人暮らしの女性や生活利便性を求める人向き。

◇第二種住居地域

特徴:主に住宅の環境を守るための地域。

・第一種住居地域で可能な建物に加えて、ボーリング場やスケート場、また床面積10000m²以下ならパチンコ屋やカラオケボックスなども建てられる。

・遊べるところも増えるので一人暮らしや、若い夫婦の二人暮らしに向き。

◇準住居地域

特徴:道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域。

・国道や幹線道路沿いが指定されることが多い。

・第二種住居地域で可能な建物に加えて、車庫や倉庫、作業場の床面積が150m²以下の自動車修理工場、客席部分200m²未満の劇場や映画館などが建てられる。

・国道や幹線道路が近くにあるので、普段からクルマで移動するという人に向き分譲マンションが多くなる地域のため、分譲マンションを選びたい人にもおすすめ。

◇田園住居地域

特徴:農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域。建物の制限的には第一種低層住居専用地域に近い。

・住宅のほか幼稚園~高校までの教育施設や図書館、病院、神社・寺院などが建てられるほか、2階建て以下の農産物直売所や農家レストランも建てられる。

・農産物直売所や農家レストランで働く人なら職住接近で生活しやすくなるでしょう。また既存の農地を使って農業を楽しみたいという人にも向き。

【商業系の2地域】

商業系の地域では商業施設などが優先だが、住宅も建てられる。

◇隣商業地域

特徴:日用品の買い物などをするための地域。

・生活利便性が高いが人や車の往来も増え、生活利便性を重視し、日中はあまり家にいない人向き。

・準住居地域よりさらに制限が緩和され、店舗や事務所、劇場や映画館などに床面積の制限がありません。

・床面積150m²以下で危険性がなく環境を悪化させる恐れがない工場や、床面積300m²以下の自動車修理工場も建てられる。

◇商業地域

特徴:近隣商業地域よりさらに緩和され、銀行や映画館、飲食店、百貨店などが集まることを目的とした地域。

・ターミナル駅など大きな駅が近くにあり、大きな商業施設もあるなど利便性は高い地域住環境よりそうした利便性を重視する人向き。

【工業系の3地域】

工業系の3地域は主に工場などが優先されますが、工業専用地域を除いて住宅を建てられる。

◇準工業地域

特徴:主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域。

・危険性や環境悪化が大きい工場を除き、ほとんどの工場が建てられる。

・住宅やホテル、ボーリング場、映画館、病院、教育施設なども建てられる。

・小学校など教育施設、店舗も建てられるので、生活利便性が高い。

・工場の騒がしさが気にならなければ家族、また地域内の工場勤務者向き。

◇工業地域

特徴:どんな工場でも建てられる地域。

・住宅や店舗も建てられるが、ホテルや映画館、病院、教育施設などは建てられない。

・湾岸地域が指定されていることが多く、その場合たいていは高層マンションが建ちます。そのため高層階から海や街を眺める生活を送りたいという人向き。

◇工業専用地域

特徴:工場のための地域です。

・どんな工場でも建てられるが、住宅は建てられない。

このように用途地域は地域別(住宅が建てられるのは12地域)に街の景観やにぎやかさ、利便性などが異なります。

まずは自分の理想とする暮らし方を検討し、それに合う用途地域かどうか検討するようにしましょう。

5.建ぺい率や容積率以外の建築制限も要注意

住まいを建てる際には建ぺい率と容積率のほかにも建築制限があり、それぞれに該当しないかを調べ、制限や規制の範囲に収まるように設計する必要があります。

次のような制限は土地によって適用の有無が異なるので、家を建てる前に確認しておきましょう。

斜線制限:土地が接する道路や隣接地、北側の隣接地境界線に対して適用される制限

絶対高さの制限: 第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、田園住居地域に適用され、都市計画で10mまたは12mまでの高さを超えないようにする制限

日影規制:ほかの建物への日照を確保するために設けられる制限

高度地区:市街地の環境維持や土地の利用促進を目的として、自治体ごとに独自の制限を設けている地域

 

 

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